毎週、技術書を読んで、ざっくり紹介します。今日は、azu, Suguru Inatomi著『JavaScript Primer(WEB版)』。
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※こちらは書籍版です。ささざめ的にはひとまず無料で読めるWEB版を読んでみることをオススメします。
本書の目次
書籍目次を開く
著者紹介
読み始める前の事前準備
文章の間違いに気づいたら
第一部: 基本文法
JavaScriptとは
コメント
変数と宣言
値の評価と表示
データ型とリテラル
演算子
暗黙的な型変換
関数と宣言
文と式
条件分岐
ループと反復処理
オブジェクト
プロトタイプオブジェクト
配列
文字列
文字列とUnicodラッパーオブジェクト
関数とスコープ
関数とthis
クラス
例外処理
非同期処理:Promise/Async Function
Map/Set
JSON
Date
Math
ECMAScriptモジュール
ECMAScript
第一部: おわりに
第二部: 応用編(ユースケース)
アプリケーション開発の準備
Ajax通信
エントリーポイント
HTTP通信
データを表示する
Promiseを活用する
Node.jsでCLIアプリ
Node.jsでHello World
コマンドライン引数を処理する
ファイルを読み込む
MarkdownをHTMLに変換する
ユニットテストを記述する
Todoアプリ
エントリーポイント
アプリの構成要素
Todoアイテムの追加を実装する
イベントとモデル
Todoアイテムの更新と削除を実装する
Todoアプリのリファクタリング
付録: 参考リンク集
付録: JavaScriptチートシート
おわりに
紹介と感想
フロントエンド開発、バックエンド開発、双方で最重要な位置にあるJavaScript。モダンな開発では、JavaScriptのスーパーセット言語であるTypeScript、あるいは多種多様なライブラリ/フレームワークと組み合わせて使うのが当たり前になっている現代だが、それらの知識を深めていく前に改めてVanilla JS、つまり、プレーンな状態の素のJavaScriptを学んでおく必要があるのではないかと思う。
私は、もともとJavaメインでWEB開発を行っていて、フロント側のJavaScriptは見様見真似で書いていたという程度。そんな自分が、改めてJavaScriptについてなにか知識を体系的に得られるコンテンツを求めていたとき、本書にであった。
本書、書籍版は有料なのだが、WEB版はなんと無料で公開されている。しかも、最新のES(ECMAScript)に対応しており、随時更新されているというのだ。なんと素晴らしいことか。
オープンソースプロジェクトにて制作されており、誰でもコントリビューターになることができる仕組みが形成されている。理念に共感する人や、物理本として手元に置いておきたい人は、プロジェクトの支援の意味でも、書籍版がオススメかもしれない。
さて、実際の内容だが、これがまたよく出来ている。読者像の想定で、
プログラミングをやったことがあるが、今のJavaScriptがよくわからないという人が、 今のJavaScriptアプリケーションを読み書きできるように書かれています。
となっているだけあって、私みたいな、エンジニア歴はそこそこあるけどJavaScriptについての学習をなあなあにしてきてしまった人間にはピッタリな、無駄がなく理解しやすい章ばかりだった。
個人的に特に目からうろこだった章は 関数とthis や非同期処理など。いままでなんとなくコピペでごまかしていた書き方の部分が、深く理解できたように思う。WEB版だとソースコードが即時実行できるようにしてくれているのも非常にありがたい。
今後、Vanilla JSについての情報が知りたくなったら、本書とMDN Web Docs(MDN)を指針とすればそれだけで十分な力を発揮できるのではないかと感じる一冊だ。
GitHubのIssuesを見てみると、既にES2024についての追記修正も準備が始まっている模様。是非、今後とも参考にしつつ、プロジェクトの継続を応援したいと思う。